
こんにちは。高岡市長の角田ゆうきです。
前回のブログでは、「こどもまんなか」の理念のもと、高岡市が取り組む妊娠・出産、そして不妊治療への支援についてお話しさせていただきました。新しい命を安心して迎え、育める環境づくりに全力を尽くしていることをご理解いただけたなら幸いです。
今回は、子どもたちが生まれ育った後、地域の中でどのように健やかに成長していけるか、その「居場所」と「学び」の環境づくりに焦点を当ててお話ししたいと思います。子どもたちの成長は、決して家庭の中だけで完結するものではありません。地域社会全体で子どもたちを見守り、支え、時には手を差し伸べることが、彼らの豊かな心を育み、未来を拓く力になると私は信じています。
高岡市では、子どもたち一人ひとりが、地域の中で温かいまなざしに包まれ、安心して様々な経験ができるよう、具体的な取り組みを進めています。
「温かい食卓」と「支え合いの心」。高岡型子育て支援の輪
子どもたちの健やかな成長には、心と体を育む「食」が不可欠です。しかし、家庭の事情は様々であり、すべての子どもが常に温かい食事を十分に摂れるとは限りません。高岡市では、そうした課題に対し、地域全体で子どもたちを支える温かい仕組みづくりを進めています。
その中心となるのが、「こども食堂」と「ふれあい食堂」の拡充です。高岡市内では、これまでも地域の皆様のご協力のもと、子どもたちに栄養のある食事を提供する「こども食堂」が運営されてきました。高岡市は、この活動をさらに広げるべく、場所の確保や運営支援を強化し、より多くの子どもたちが利用できる環境を整備しています。これらの食堂は、単に食事を提供する場に留まりません。多世代の交流が生まれ、地域の方々が子どもたちを見守り、温かい言葉を交わす「地域の居場所」としての役割も担っています。子どもたちが笑顔で食卓を囲み、地域の人々との触れ合いを通じて、社会性を育む大切な場となっています。
さらに、高岡市は全国に先駆けて、「ごちめし」という新しい仕組みを導入し、その普及を推進しています。これは、食事を必要としている子どもや子育て世帯が、匿名で食事の提供を受けられるシステムです。経済的な理由などで食事に困っている状況を、周囲に知られずに支援を受けられるため、利用する方々の心理的な負担を大幅に軽減することができます。この「ごちめし」の取り組みは、提供する側も手軽に参加できるため、地域全体で「困っている人に手を差し伸べたい」という温かい気持ちを形にする、高岡ならではの「支え合いの心」を象徴する事業だと考えています。
未来を拓く「学びの環境」と「子どもの権利」
子どもたちが未来を生き抜く力を育むためには、質の高い教育環境と、彼らの権利を尊重する社会の構築が不可欠です。高岡市では、この二つの視点から、未来を見据えたまちづくりを進めています。
まず、高岡市が策定した「高岡市こども計画」は、子どもの権利を重視した施策の推進を明確に打ち出しています。これは、子どもの意見を聴き、子どもが主体的に参加できる機会を増やし、子どもたちが自分らしく生きる権利、健やかに育つ権利、守られる権利、参加する権利を保障するための羅針盤となるものです。この計画に基づき、私たちは、子どもたちの声に真摯に耳を傾け、彼らが自らの可能性を最大限に引き出せるような環境を整備していきます。
また、現代社会において、情報通信技術(ICT)は教育に不可欠なツールとなっています。高岡市では、子どもたちが最新の技術に触れ、未来を生き抜く力を身につけられるよう、タブレット端末更新費用を基金化し、計画的なICT教育環境の整備を推進しています。これにより、全ての小中学校で、最新のタブレット端末を活用した授業が展開され、子どもたちの学びの選択肢が大きく広がりました。遠隔学習の機会提供や、プログラミング教育の充実など、子どもたちが主体的に学び、創造性を育むための環境をこれからも積極的に支援していきます。このICT環境の整備は、子どもたちの可能性を広げ、未来の社会で活躍するための土台を築く重要な投資だと確信しています。
高岡で「生きる力」を育む子どもたちへの願い
今回ご紹介した「こども食堂・ふれあい食堂」や「ごちめし」、「高岡市こども計画」そして「ICT教育環境整備」は、高岡の全ての子どもたちが、地域の中で安心して、そして豊かに育っていけるようにとの願いを込めて進めている取り組みです。
高岡は、子どもたちが地域の人々の温かいまなざしに包まれ、食を通じて人とのつながりを感じ、そして未来を拓く学びの機会に恵まれたまちです。私は、子どもたち一人ひとりが、この高岡で「生きる力」を育み、自分の夢に向かって羽ばたいていけるよう、これからも市民の皆様と共に、より良いまちづくりに全力を尽くしてまいります。
次回のブログでは、子育て世代の皆様が安心して働き続けられるよう、高岡市が力を入れる「保育現場の充実」について、お話しする予定です。どうぞご期待ください。
高岡市長 角田ゆうき
政策|こどもまんなか 連載
- 【連載#1】市長が語る「こどもまんなか」〜高岡で育む新しい命と家族の笑顔〜
- 【連載#2】地域全体で育む「高岡のこどもたち」〜健やかな成長を支える優しいまなざし〜
- 【連載#3】「働く」と「育てる」を両立できる高岡へ〜質の高い保育が支える地域〜
参考文献
- 「こどもまんなか」の理念と高岡市の子育て支援全般について:角田悠紀 公式ウェブサイト - 人口減少対策
- こども食堂・ふれあい食堂の拡充について:高岡市公式ウェブサイト(当初予算案)
- 「ごちめし」の普及と食事支援について:高岡市公式ウェブサイト
- タブレット端末更新費用基金化とICT環境整備について:高岡市教育委員会
「高岡市こども計画」の策定と子どもの権利について:北日本新聞webun+