こんにちは。高岡市長の角田ゆうきです。
このブログでは、私が市長として日々感じていること、そして高岡のまちをより良くしていくための私の思いを、率直にお伝えしています。今回は、私自身の政治家としての歩みを振り返りながら、特に「市議会議員」という経験が、現在の市政運営にどのように活かされているのか、そして市民の皆様と共に未来を創る上で不可欠な「議会との関係性」についてお話ししたいと思います。
皆様の中には、私が市議会議員を務めていた頃をご存じの方もいらっしゃるかもしれません。あの頃の私は、もしかしたら皆様に、そして先輩議員の方々や市役所の職員にも、色々とご迷惑をおかけしたかもしれませんが、良く言えば「やんちゃな市議」だったと自認しています。
27分の1の市長として、ひたすら「高岡を良くしたい」
市議会議員として活動していた頃の私は、まさに「27分の1の市長」だと思っていました。市民の皆様からお預かりした大切な一票の重みを胸に、地域の代表者として、高岡を良くしたい、守りたいという強い思いで、日々市政と向き合っていました。
時には、先輩議員の皆様にもガンガンと意見をぶつけ、市役所の職員とも喧々諤々の議論を重ねました。また、地域の皆様に対しても、「これでは地域が変わらない!」と、かなり強くぶつかっていったこともございます。それは、市議会議員として、目の前の課題に対し、決して譲れない「高岡を良くしたい」という確固たる信念があったからです。当時の私は、本当にそうしなければ、このまちが変わらないと信じて、がむしゃらに行動していました。
しかし、政治のステージが変わり、皆様のご支援をいただき、市長という立場に就かせていただいてから、最も痛感したのは「市議会の大切さ」です。
「提案」と「議決」〜未来を動かす両輪の政治〜
市長は、市民の皆様から直接伺ったお声や、まちの課題に対する解決策を、政策として立案し、予算を編成する「提案権」を持っています。市民の皆様の思いを形にするため、様々な事業を立ち上げ、それを応援することができます。しかし、どんなに素晴らしい提案も、予算も、最終的にそれを実行に移すには、「議会の議決」が必要なのです。
市議会議員の皆様から、「市長、あなたはこれ、一部の意見を聞いているだけではないか」と問われた時に、「ごもっともです」となってしまっては、その政策は前に進みません。だからこそ、いかに市議会の皆様に納得いただけるような説明ができるかが、市長にとって極めて重要な課題となりました。
私が市長になってから特に力を入れたのは、この「説明」の部分です。まず、「なぜ私たちは高岡を良くしたいのか」という、まちへの共通認識の確認。そして、「なぜこの事業を今、やらなければならないのか」という、課題の本質と緊急性の説明。この二点については、もう徹底して議論を重ねました。
私自身が、かつては最も「やんちゃな市議会議員」であり、どんなに説明されても納得しないタイプでしたから(笑)、自分が自分に説明するとしたら、ここまで資料を用意しなければ、ご納得いただけないだろうと。その思いを市の職員にも徹底してもらい、丁寧に説明を行いました。時には、議員の皆様から修正点を指摘いただくこともありましたが、それらのご意見も真摯に受け止め、より良い政策へと昇華させていきました。議決を得るという難しさは、首長であれば誰もが感じる大きな課題だと認識しています。
市民・議会・行政が共に高め合う高岡へ
市議会議員と市長の大きな違いは、まさに「議決権を持っているところと持っていないところ」にあります。市長は「提案権」を持っていますが、この二つが「両輪」となって初めて、まちの政治は動きます。これこそが、市役所と議会が「両輪」である所以だと深く感じています。
私は、市民の皆様にも、この「両輪の政治」の仕組み、そして「市議会」の大切さについて、ぜひご理解いただきたいと願っています。市民の皆様が、地域の代表者である市議会議員を選ぶ際の「見る目」が変われば、市議会の議論はさらに活性化し、より質の高いまちづくりに繋がるはずです。
私自身も、これからも「高岡を良くしたい」という一念で、さらに一段上のステージへと上がってまいりますが、市議会議員の皆様にも、ぜひ共にそのステージへ上がっていただき、もっと高岡を良くするための建設的な議論ができる環境を創っていきたいと思っています。
賛成を得るために、無意味にぶつかり合うだけでは、何も変わりません。本当に高岡を良くしたいのであれば、水面下で粘り強く議論を重ね、最終的には市民の皆様にご理解いただける形で「議決」を得て、まちを変えていく。これが、1年間を通して私たちがやり遂げなければならないことです。
やはり、市議会との向き合い方、そして市民の皆様との対話が、高岡の未来を拓く上で本当に重要だと、改めて強く感じています。
高岡市長 角田ゆうき